最後の儀式

斎場の成り立ちと歴史

斎場には元来、「祭祀・儀式を行う場所」という意味があります。 転じて、現代の日本では、斎場といえば主として葬式(通夜・告別式)を行う施設を指すようになりました。 葬式を行う場としての斎場が生まれた背景にはいくつかの事情があります。 まず、仏教式の葬式が一般的になり、寺院や自宅で葬儀を行うことが多くなってきた、ということです。 更に、都市化・近代化が進む中で、アパートやマンションなどの集合住宅で暮らすことが当たり前になってきました。 そうすると、自宅で葬式を行うということが空間的にも難しくなり、そこで必要とされたのが葬式を執り行う専門の施設、斎場だったのです。 このようななりたちから、現在でも、斎場という言葉は非常に幅広い意味を含んでいます。

人々の価値観に合わせて変化する

現代の社会構造を反映して、葬式のあり方は徐々に変化しつつあります。 特に、近頃ではすっかり一般的になったのが家族葬です。 身内やごく親しい友人だけで見送る小規模な式で、故人の意思に寄り添い、故人の個性をふまえた式にすることができます。 また、宗教観の変化を反映してか、近年では直葬というかたちを望む人々も増えつつあります。 直葬とは、通夜や告別式を行わず、一定時間斎場にご遺体を安置したあと火葬するというものです。 それだけでは寂しいという方に向け、別れを惜しむ時間を設けた一日葬も徐々に増えつつあります。 こうした小規模葬に合わせ、専用の斎場も登場してきました。 今後も人々の価値観はますます多様化し、それに合わせて斎場のありかたも大きく変化していくことでしょう。